私が20代後半の頃、クレジットカード地獄から脱却した際の取り組みについてご紹介しようと思います。
当時のクレジットカード使用状況
当時、年間で200万円以上をクレジットカード決済していました。月額に換算すると16万円以上になります。
今思えばなんと恐ろしい生活だったのかと思います。
とはいえ、それでも生活はギリギリ回っていたのですが、だいたいこんな感じでした。

実際この生活になるまでには「ある日突然」というわけではなく、徐々に変化していった結果、こうなりました。
漠然と、「クレジットカードのポイントが付くからお得だよね!」とか「キャッシュレス決済便利!」という考えで、クレジットカードの利用率を増やしていった結果なのです。
ある意味クレジットカードのポイントを獲得するためには最高効率かもしれませんがね。当時はそう思っていました。 笑
何が大変かって?
何度か脱却しようとしたものの、当時はこんな感じでした。
- 2か月前の生活支出全部が2か月後の支払いとして回ってくるため、給料日直後に殆ど現金がない。
- 現金がないので居酒屋などのカードが使えない店ではカード決済に。雪だるま式に、カードの利用額が増えていく。
- 節約を思い立っても2か月は身動きが取れないので、やる気と行動と成果が一致しない。2か月後には冷めてる。
- 節約しようにも、何をどれだけ節約したらよいのか全く分からない。節約してもクレジットカードの利用額が減るだけで、口座の残高が増えたり残ったりしないので、成果が見えにくい。
- 急激にカード利用をやめると、やめた月の現金負担が半端ない。→結局カードに頼ることになる。
- 現金無くてやばい時はカードローンにGo(゜Д゜
思い返せば使ってるお金は多いのに、心は貧しかったな…と思う時代です。
だいたい、この時使っていたお金はAmazonに流れていったと思います(笑)
具体的にやった対策
まず、「ふつうのクレジットカードの使い方」に戻すには最低でも半年くらいの期間を要すると考えましょう。
もちろん、貯蓄が潤沢にあるとか、賞与がいっぱい出るとか、そういう環境によって短縮は可能です。
キーワードは以下の通りです。
- 無駄を見える化する(カードの分割)
- 無駄を探す
- 賞与・貯金
- 現金的生活へのシフト(デビットカードの活用)
無駄を見える化する
まず、私が実行したこととして、当時、使用していたクレジットカードは2つでした。
しかし、2つとも「今いくら使ったのか」を調べるためにはネットで面倒なログインを経て調べないといけませんでした。今の時代はアプリを活用した方が良いでしょう。とにかく「すぐに目につく」ことが重要です。
そこで、当時持っていなかったAmazonゴールドカードを新たに契約しました。
なんでAmazonゴールドカードだったのかというと、Amazonをよく利用していたことと、SMBCが提供するV-passというアプリで「割と簡単に使った金額が見えるから」ということになります。
もちろん、住信SBIネット銀行や楽天銀行などITに明るい感じのする会社のカード・アプリでも良いでしょう。手間が少なく、すぐに見えればOKです。
カードを手に入れてから、次の通り実行しました。
- 無駄な支出だと思うものは、専用のクレジットカードで決済することにした。
- 専用クレジットカードの月ごとの支出の上限額を定めた。
私の場合は、生活資金(食費・光熱費・N○K・携帯電話・飲み会費用など)以外の支出を1万円/月までとしました。(だいたいAmazonです 笑)
何か無駄なものを買おうとしたとき、先に必ずアプリを見て、「あといくら使えるのか」を把握することが大事です。
また、カードを使い分けるので無駄な買い物なのかどうか、よく考えるようになります。
無駄ではない生活用品はとりあえずメインのクレジットカードを使えばよいです。自分に甘えないことが大事です。
これがきちんとできれば、まず、ぱっと見「無駄」と思えるものに対する支出を減らすことができ、2か月後には口座の残高がいくらか残ってくれます。
また、この対応をやっている間は、一旦、飲み会などの建て替え払いもなるべく避けました。
これがあると、支出が減ったのかどうかが見えにくくなります。
あと、ポイントがついてお得だからとか、そんな理由はこの際、一旦捨てましょう。
そもそも、「健全に資金繰りができてこその節約・お得」なのであることを今一度よく考えましょう。その考えがこの事態を招いているのだと。
無駄を探す
大雑把な無駄の把握は専用のクレジットカードを使えば分かるとして、まだまだ無駄な出費が残っているかもしれません。
まず、もともと使っていた口座の利用明細を数か月分目を通しました。
私の場合、ほとんど使っていなかったAdobeのサブスクリプション契約や、ニコニコ動画などのサブスクリプション契約がありました。
過去半年から1年の利用状況をよく見て、使っていないものはどんどん解約していきました。必要ならばまた契約すればよいのですし、支払先をさっき作った専用のクレジットカードにすればよいです。最優先すべきは2か月後に現金を手に入れることです。
クレジットカードの最大の利点は、このように明細に目を通せば「無駄」が見えるということですね。考えてみれば当たり前のことですが、私もこの時初めて気が付いた気がします。便利な世の中です。笑
賞与・貯金
ここで、クレジットカード利用に終止符を打つべく、現金の後方支援を利用します。
賞与や貯金を切り崩して、2か月分の必要資金を手に入れましょう。(私は賞与+貯金でした。)
これから2か月は今までの愚行のツケがやってきますから、数万程度は余分に引き出しておきました。
私の場合、この時、20万円ほどを手元に準備しました。
そして、現金を手に入れたら、クレジットカードの締め日を見計らって、以下の決済で現金生活を始めます。
なお、現金生活といっても、現金決済だけ!というわけではないので、次の「現金生活へのシフト」もご覧ください。
- 食費系 → デビットカード
- 交際費 → デビットカード or 現金
- 電気・ガス・水道・携帯 → 口座振替(私の場合、携帯はクレジット決済のみだったのでそのまま残った)
もし賞与や貯金が無かったら
もし今、賞与や貯金がない場合は、まず、現金を少額でもよいので手に入れることを考えましょう。
「無駄を見える化する」ところでまず大きな支出は削れると思うので、その時点で「給与>>>>クレジット支払額」となるようにしておきましょう。(というか給与<クレジット支払額の場合は、自己破産まっしぐらですね。)
次に、手に入れた現金を先に使い、超過した分をクレジットカード決済するようにしていき、また、次の月では現金支出分だけクレジットカード利用額が減るはずなので徐々に改善されます。半年もあれば十分でしょう。
現金生活へのシフト(デビットカードの利用)
さて、現金生活へのシフトといっても、最近は「キャッシュレス」が多いですね。
私もキャッシュレス決済が便利なので良く使います。
しかし、チャージが面倒とかそういった理由で、電子マネーのオートチャージ設定をすると、浪費に気づかない可能性はあります。
この記事を読んで実践しようと思ったあなたは、たぶん、クレジットカードのような無尽蔵に使えてしまうものを手に入れると我慢ができない性格なのだと思います。私もそうです。
そこで、私が選んだのが「デビットカード」です。
デビットカードは、使用すると銀行口座からすぐに引き落としされるカードのこと。
口座から引き出しをしなくてよいので、ATM利用回数も減っていい感じです。
一昔前は、デビットカードを使える店は本当に少なかったのですが、東京五輪開催を契機にキャッシュレス決済の多様化と普及を政府が後押ししたこともあって、使える店が随分と増えたように思います。
私の経験だと、Apple Payでは使えるデビットカードに制限があることと、一部のタクシーで使えなかった経験はありますが、もしかしたらSuicaチャージもダメかも。それ以外は大抵の場合使えます。コンビニはもちろんOK。
決済方法を聞かれたら「クレジットカードで」といえばOKです!
おすすめのデビットカード
デビットカードには、VISA・Mastercard・JCBと大別すると3つの種類があります。
個人的には、VISAかMastercardあたりを選んでおけば良いかなと思います。(私はVISAです。当時、paywaveが利用できたので飛びつきました。タッチでクレジット決済するやつです。)JCBだと大抵は日本国内限定であり、J-Debitの決済に対応する店舗・・・と言われてもピンとこないので、あっさり選択肢から外れました(笑)。
Apple Pay使いたいなら、JCBの選択肢もアリ。
「何より使いやすい」ことを重視しないといけません。使えないとクレジットカードを再び使ってしまいます。
個人的に使いやすいと思ったデビットカードはこれです。
何が良いかって、皆さんご存じの「iD」のデビット版が利用できます。
つまり、お店では「iDで」と言って決済するわけですが、中身はデビットカードなのですぐに銀行から引き落とされます。
もちろん、デビットカードとしての機能も備わっていますので、クレジットカードと同等の決済も対応しますし、クレジットカードのタッチ決済も可能です。どの方法で決済してもデビットカードとして機能します。
私はSMBC口座を生活費口座に割り当てていて、例えばコンビニで朝食・昼食、飲み物、タバコを買うときに使っています。なんなら、なか卯の朝定食でも使えます。
また、こちらもV-passアプリで残高確認できますから、無駄遣いチェック&生活費の残額チェックが同時にできちゃうわけですね。
それ以外のデビットカードは、みなさんがご利用するデビットカードを選んでよいでしょう。
ポイント還元等の条件以外では、あまり差が無いように思います。
私は住信SBIネット銀行がメインの銀行なので、生活費以外の出費(つまりお小遣い)は、住信SBIネット銀行のデビットカードを使用しています。
これだけやった結果
私はこれらの取り組みによって現金生活にシフト、利便性を損なわずに、大きな支出を抑えて生活できるようになりました。
今回は、何の上限も意識せずに生活費もお小遣いもクレジットカード決済してしまう!という状態への対処の一例をご紹介しました。

やるときの注意点としては、デビットカード用に開設する銀行口座の開設には少々時間がかかりますから、まず、銀行口座の開設から始めておくと良いでしょう。
ちなみに、私の場合、最終的にクレジットカード決済として残ったのが、携帯電話とETC料金、ガソリン代と継続したいサブスクリプション契約(Officeとか)、税金関係のみになりました。
これらは特に変動要素が少ないのでコントロールと準備がしやすいです。税金の場合は一過性のものですから気を付けていれば準備も容易です。
ちなみに今回、現金生活にシフトした経験談を紹介しましたが、特段クレジットカードを悪者扱いしていません。
例えば今が食費はイオンカード!っていう人も、無理してデビットカードにする必要はありません。
(ただ、食費と称してイオンカードで無駄遣いしてるっていうなら別です。笑)
今度は、この時、私が同時進行して行った口座の分割についてご紹介しようと思います。